エアコン購入後に行う取り付け工事は、実は室外機の設置場所によって、費用やエアコンの効き具合に違いがあるのをご存じでしょうか。
今回は、1階と2階でエアコンの取り付け費用が変わる理由や、意外と知られていない室外機の設置パターンについて、詳しく解説します。
エアコン室外機の取り付け場所の条件
室外機の取り付け場所の、基本的な条件は次の3つです。
- 水平に取り付けできる
- 通気スペースが確保できる
- エアコン本体と室外機の距離が近い
それぞれ見ていきましょう。
水平に取り付けできる
室外機は傾きや凹凸のない、水平な場所に取り付けましょう。
室外機は精密な部品を多く使っていますし、エアコン稼働中は常に振動します。取り付け場所が水平でないと、大きく響く振動が故障や騒音の原因になることも。
屋根の上のように傾斜がある場所に室外機を取り付けるなら、水平を保つため、専用の架台を設置する工事が必要です。
通気スペースが確保できる
室外機の周りには、十分な通気スペースが必要です。
通気スペースがないと、室外機は熱を上手く循環できません。熱の循環効率が下がって冷暖房の効きも悪くなり、電力を余計に消費する悪循環に陥ってしまいます。
室外機の周りは、必ず適切な通気スペースを確保しましょう。
エアコン本体と室外機の距離が近い
冷暖房の効率をよくしたい場合は、できるだけエアコン本体と室外機の距離を近づけましょう。
室内のエアコン本体と室外機をつなぐ配管の中には、冷媒という特殊なガスが充填されています。冷媒は配管を通してエアコン本体と室外機の中を循環し、熱を受け取ったり放出したりしながら、部屋の温度調節をするのが役目です。
エアコン本体と室外機の距離が離れていると、気温の影響を受けやすく冷暖房の効率が悪くなってしまいます。できるだけ、エアコン本体と室外機の距離が近くなるように考えてください。
1階と2階でエアコンの取り付け費用が変わる理由
エアコンの取り付け費用が1階と2階で変わるのは、2階への取り付けにオプション工事が必要になるためです。
標準工事以外のオプションが必要
取り付け業者によって多少の違いはありますが、標準的なエアコン取り付け工事の内容は、以下のとおりです。
- エアコン本体(室内機)の取り付け
- 壁の穴あけ工事(1カ所)
- 配管の接続(4mまで)
- 室外機の設置
- 真空引き作業
- アース線の接続
エアコン本体の取り付け工事は、1階も2階も変わりません。
また配管内部を真空にする真空引き作業や壁の穴あけ工事、アース線の接続も、1階と2階どちらでも必要な工事です。
1階と2階の工事費に大きく関わるのは、配管の接続と室外機の設置方法です。
標準工事に含まれる配管接続は4mまでなので、2階のエアコン本体から1階の室外機までは長さが足りません。2階から1階につなぐには大抵6~8mの長さが必要なので、その分の追加費用が発生するケースも多いです。
設置台の工事が必要
壁面や屋根の上に室外機を設置するには専用の設置台が必要ですし、ベランダの天井から吊り下げるなら、専用架台の取り付けが必要です。
地面置きが多い1階と違い、2階は状況にあわせてさまざまな設置方法が選ばれます。
設置台の追加工事が必要になるのも、1階と2階の工事費用が異なる理由の1つです。
エアコン室外機の取り付け方法は6種類
ここからは、室外機の6つの設置方法を紹介します。それぞれのメリットやデメリットも解説しますので、比較の参考にしてください。
地面置き
最も一般的なのが、地面やベランダに直接室外機を設置する地面置き。
水平を確保しやすく、標準工事で対応できるケースが多いです。
メリット:メンテナンスや故障時の修理交換作業がしやすい
デメリット:障害物の影響を受けやすいので、通気スペースに注意する
天吊り
天吊りとは、ベランダの天井に専用の架台を取り付け、室外機を吊り下げる設置方法。
設置場所には、あらかじめ取り付け用のボルトが4本ついているのが条件です。
メリット:通気スペースとベランダのスペースが確保しやすい
デメリット:設置場所が南向きだと電力効率が落ちやすい
- メリット:通気スペースとベランダのスペースが確保しやすい
壁面取り付け
壁面取り付けとは、壁に専用の架台を取り付け、室外機を設置する方法。
ベランダのない場所にも取り付け可能ですが、場所によっては足場を組む必要があるため、取り付け費用が十数万単位で高額になることも。
しっかりと見積もりを取り、金額を確認してください。
メリット:ベランダがない場所でも取り付けできる
デメリット:高所に取り付けの場合、設置費用が高額になる
屋根置き
屋根置きとは、屋根に専用の設置台を取り付け、その上に室外機を設置する方法。
2階のエアコン本体設置場所の近くに屋根があるときに、選ばれるケースが多いです。
メリット:エアコン本体と室外機の距離を近くできる
デメリット:直射日光や雨が吹き込みやすく、室外機が故障しやすい
二段置き
二段置きとは、2台の室外機を上下重ねて設置する方法。設置には専用の取り付け金具が必要です。
メリット:1台分の設置スペースで2台分取り付けできる
デメリット:下段の室外機は通気スペースが十分に取れず、電力効率が落ちやすい
立ち下ろし
立ち下ろしとは、室外機は1階に設置し、そこから上階に取り付けたエアコン本体まで配管を伸ばす取り付け方法。天吊りや壁掛けを避けたい賃貸住宅で、よく選ばれています。
メリット:ベランダや屋根がなくても設置できる
デメリット:エアコン本体と室外機の距離が離れると電力効率が落ちやすい
室外機の取り付け方法には、それぞれメリットとデメリットがありますので、専門の取り付け業者に相談しながら検討を進めましょう。
エアコン室外機の取り付け場所に迷ったら
室外機の取り付け場所が複数選べ、迷ってしまったときの判断基準を紹介します。
- 直射日光や雨を避ける
- 設置方法は直置きを推奨
順に見ていきましょう。
直射日光や雨を避ける
室外機の設置場所は、できるだけ直射日光や雨が避けられる場所を選びましょう。
直射日光があたると室外機は熱の循環が上手くできず、冷暖房の効果が下がってしまいます。また雨が室外機の内部に吹き込むと、故障の原因になることも。
地面置きなら専用カバーの取り付けもできますが、特殊な場所に設置するなら、日光や雨には特に注意しましょう。
設置方法は直置きを推奨
室外機は、できるだけ直置きを検討しましょう。
どの設置方法も専用の設置台や架台を使って安全に取り付けますが、経年劣化をはじめ、地震や台風による自然災害の影響は避けられません。
直置きは修理や交換もしやすいため、メンテナンス面からもおすすめです。
エアコンの取り付けや室外機の場所に悩んだらグリーンホームに相談を
エアコンの取り付け工事は専門性が高いため、どうしても専門の取り付け業者に頼る部分が多いです。けれど取り付け場所のパターンや特徴を知っておけば、自分でも冷暖房の効率やメンテナンス性を重視した設置方法が検討できます。
エアコンの取り付けや室外機の場所に悩んだら、ぜひ大分県大分市のグリーンホームにご相談ください。エアコンの取り付け工事はもちろん、設置場所のご相談も承っています。
グリーンホームではエアコンの取り付けに限らず、おウチの困りごと全般もサポートしていますので、ぜひお気軽にご相談ください。