「エアコンにカビが生える!?」と聞いて、驚いたことはありませんか?
実はエアコンの内部は、カビにはとても快適な環境です。手入れを怠ると、あっという間にカビが繁殖してしまうんです。
エアコンに発生したカビの胞子は、気流に乗って部屋中に拡散。アレルギー性鼻炎や喘息など、健康被害を引き起こす原因になります。
エアコンのカビを防ぐには、定期的な掃除が欠かせません。
今回はカビの掃除方法から予防方法について、徹底的に解説します。
エアコンにカビが生える原因は?
カビが発生しやすい環境の条件は、栄養や水分、適切な温度です。
エアコン内部は、この3つの条件が全て揃った理想的な環境のため、カビが生えやすくなります。
フィルターの汚れ
フィルターについたほこりは、カビの栄養源です。
もともと空気中には、目に見えないカビの胞子が常に漂っています。フィルターに付着したカビの胞子が、湿度と温度が保たれた環境の中で、ほこりをエサに一気に増殖。目に見える黒い点が複数発生するまでに成長し、カビが生えた状態になるのです。
結露などの水分
エアコン内部に発生する結露も、カビが生える原因です。
部屋に取り付ける室内機には、熱交換器と呼ばれる、室温を調節する設備があります。特に冷房運転や除湿運転では、熱交換器そのものも冷やされるため、結露が発生しやすいです。
カビは湿度65%以上の環境を好みます。結露によってエアコン内部の湿度は高くなり、カビが発生しやすくなるのです。
快適な温度
カビは気温20~30℃で繁殖をはじめ、気温25~28℃で最も活発になります。
人間にとって快適な気温はカビにも快適なため、エアコンの設定温度とカビが好む環境は同じになりやすいです。冬の間もエアコンの中は暖房で一定の温度に保たれるため、カビが1年中活動しやすい環境になっています。
エアコンのカビによる健康被害
カビの胞子が引き起こすのは、主に呼吸器系の疾患です。カビが原因でかかりやすい、3つの疾患を紹介します。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎とは、アレルゲンと見なした特定の物質を体内から排除するために、くしゃみや鼻水などの症状が過敏に出てしまう疾患です。花粉やダニ、動物の毛のほか、カビの胞子もアレルゲンに含まれます。
花粉による季節性のものと違い、季節に関係なくエアコンのかかった室内でくしゃみや鼻水が頻発するなら、カビによるアレルギー性鼻炎の可能性が考えられます。
夏型過敏性肺炎
夏型過敏性肺炎は、「トリコスポロン」という白カビが引き起こす疾患です。トリコスポロンの胞子はとても小さく浮遊しやすいので、エアコンの風で室内に拡散し、鼻や口を通して肺の奥にまで到達します。
初期は咳や微熱、倦怠感や息切れなど夏風邪とよく似た症状です。しかし悪化するにつれ呼吸が苦しく眠れない、すぐに息切れするなど症状は深刻化。最悪の場合、命に関わります。
在宅時間が長いと症状が出やすいため、室内では咳や倦怠感が強いけれど、外出すると体調がよくなる人は特に注意しましょう。
喘息
喘息は、アレルギーや感染症による炎症をきっかけに敏感になった気道が、発作でけいれんし狭くなる疾患です。
カビの一種であるアスペルギウスは、通常人体に害はありません。しかし免疫力が下がっていたり喘息疾患があったりする人が吸い込むと、過敏反応が出て症状を悪化させます。喘息の疾患がある方は、特に注意が必要です。
エアコンのカビの掃除方法
エアコンのカビは、放っておくと溜まった汚れをエサに増殖してしまうため、見つけたらすぐに掃除で除去しましょう。カビの掃除は、以下の手順で行います。
- 電源プラグをコンセントから抜く
- 薄めた中性洗剤を雑巾にしみこませ、固く絞る
- 本体カバーを開けてフィルターを外し、フィンの汚れを拭く
- 固く絞った水拭きで洗剤を拭き取る
カビ掃除には、薄めた中性洗剤を使います。
フィルターを外した奥に見える、薄い金属の板が縦に並んでいる部分がフィン(熱交換器)です。フィンは変形しやすく力が加わると曲がってしまうため、ほこりが付着していたら掃除機で吸い取り、綿棒を使って優しく取り除きます。
続いて中性洗剤をしみこませて固く絞った雑巾で、丁寧に汚れやカビを拭き取ります。
固く絞った水拭きで、洗剤を拭き取れば掃除は完了です。
エアコンのカビが生えやすい場所
エアコンで特にカビが生えやすい、3つの場所を紹介します。
吹き出し口
エアコンの風が出る吹き出し口は、風に乗って内部のカビが付着しやすいため、カビが発生しやすいです。吹き出し口に黒いぽつぽつとしたカビを発見したら、内部にはそれ以上のカビが発生しています。注意しましょう。
フィン
フィン(熱交換器)の周辺は結露によりカビの発生しやすい部分ですが、変形しやすく繊細なため、細かい部分まで掃除しにくい部分です。フィンの変形を防ぐため、過度な掃除は行わない方がよいでしょう。
ドレンパン
フィンで発生した結露の受け皿になるのが、ドレンパンです。ドレンパンに溜まった水分はドレンホースを通り、屋外に排出されます。カビも汚れも溜まりやすいですが、ドレンパンはフィンのさらに奥にあるため、自分で掃除するのは不可能です。
一時的な応急処置ですが、設定16℃で極端な冷房運転を行い、通常よりも多く発生した結露で汚れを押し流す方法もあります。汚れが気になる場合は、試してみましょう。
エアコンのカビ掃除の注意点
エアコン内部は精密機器が多いため、誤った掃除方法は故障につながる恐れがあります。カビ掃除の注意点は、次の2つです。
カビ防止スプレーは取扱説明書を確認
カビ防止スプレーを使用するときは、エアコンの取扱説明書をよく確認しましょう。メーカーや機種によって、推奨される洗剤類が異なるためです。
手軽な印象の強いカビ防止スプレーですが、本体や壁にスプレー液がつかないよう養生したり、奥の汚れまで取りきれなかったり、簡単に扱えるものではありません。
万が一の故障のリスクも考え、十分に検討してから使いましょう。
エアコン内部に水や洗剤をかけない
掃除をするときは必ず固く雑巾を絞り、エアコン内部に直接水や洗剤をかけないよう注意してください。内部の機器類に水や洗剤がかかると、思わぬ故障や火災を引き起こすおそれがあり、危険です。
エアコンのカビの予防方法
エアコンのカビ対策には、何よりも発生の予防が肝心です。すぐに試せる予防方法を紹介します。
定期的なフィルター掃除
カビを防ぐには、定期的なフィルター掃除が欠かせません。カビはほこりをエサに繁殖しますので、清潔を保っていればそれだけ増殖を抑えられます。
フィルター掃除の頻度は、毎日使っているなら2週間に1回、あまり使っていないなら1ヶ月に1回がおすすめです。
内部クリーン運転の活用
機種によりますが、エアコンには内部クリーン運転機能が搭載されています。一度設定しておけば、冷房や除湿運転後にエアコン内部を乾燥させてくれるので、カビの発生を予防できます。
内部クリーン運転機能がないエアコンの場合は、電源を切る前に1時間ほど送風運転をかけるとよいでしょう。
部屋の換気
定期的な部屋の換気も、カビの予防に効果的です。フィルターにつく汚れの大部分は、室内のほこりです。換気をしてほこりが溜まりにくい環境にすれば、フィルターは汚れにくくなります。こまめに部屋の掃除をするのも、おすすめです。
カビのない快適な空調はグリーンホームにおまかせ!
エアコンのカビ予防には、定期的な掃除が欠かせません。けれどエアコンの内部は精密な部品が多いため、どうしてもきれいにできる範囲は限られます。エアコンのカビをすみずみまで除去するなら、エアコンクリーニングがおすすめです。
大分県大分市のグリーンホームは、地域のみなさまのくらしに密着しながら、住まいのお困りごとの解決に努めてきました。長く賃貸物件の原状回復工事に携わった経験から、エアコン掃除のノウハウも豊富に備えています。
エアコンのカビが気になったら、ぜひグリーンホームにご相談ください。