ツバメは、日本の春の風物詩。親鳥からエサをもらおうと鳴くヒナの声に、季節の移り変わりを感じる人も多いのではないでしょうか。
昔から「縁起がよい」といわれるツバメの巣ですが、汚れや寄生虫への心配から、自宅への巣作りは避けたいと思う人も少なくありません。
今回はツバメが巣を作りやすい場所の特徴をはじめ、巣を作らせないための4つの対策と注意点について、詳しく解説します。
ツバメが巣を作る時期と好む場所
はじめに、ツバメが巣作りする時期と好む場所について見ていきましょう。
巣作りの時期は3月末~6月末
ツバメは冬を東南アジアなどの暖かい地域で過ごし、春になると日本へやってくる渡り鳥です。地域で差はありますが、3月末~6月末にかけて巣を作り、子育てをはじめます。
1回の子育て期間は約1ヶ月半で、親鳥はヒナが巣立つと再び産卵。
9月〜10月までの間に通常2回の子育てを行い、全てのヒナが巣立つと越冬のため東南アジアへ旅立ちます。
人がよく出入りする場所
ツバメは、人がよく出入りする場所を好んで巣作りします。
家の玄関付近やガレージの出入り口など、人が多いところほど天敵のカラスやヘビが近寄ってこないためです。
特に好むのは、家族の人数が多い家や来客の多い店舗。
ツバメが子孫繁栄や商売繁盛をもたらし、縁起がよいと親しまれるのは、この人がよく出入りする場所を好む習性からきています。
外から見えにくい場所
ツバメは開放的な場所よりも、外から直接見えにくい場所を好みます。
これはカラスなどの天敵に見つかりにくくするためと、日差しや雨の吹き込みを防ぐための2つの意味があります。
泥と藁を混ぜて作るツバメの巣は雨に弱いため、軒先は子育てしやすい上に巣も壊れにくい、理想的な環境なのです。
風通しのいい場所
巣の快適さに保つため、風通しの良さも大切な条件です。
ツバメが子育てをする時期は梅雨を挟むため、風通しのよい巣でなければヒナを湿気から守れません。ガレージなどで目につきにくい奥まった場所ではなく、入口付近に巣を作るのはこのためです。
壁に凹凸がある場所
ツバメは泥と藁を塗り固めて巣を作るため、巣の材料が付着しやすい凹凸がある場所を特に好みます。
時には玄関ドアの枠といった、ほんの少しの足場をもとに巣を作ることもあります。ドアの開け閉めに影響が出ますので、特に注意してください。
ツバメの巣が及ぼす影響
ツバメは鳥インフルエンザなどのウイルスは媒介しないと考えられていますが、自宅への巣作りはさまざまな影響を及ぼします。
糞や泥で汚れる
最も多い被害が、糞や巣作りで使う泥による汚れです。
ツバメは泥を壁に塗り固めて巣を作るため、壁が泥で汚れるのは避けられません。
またツバメは巣の外に向かって糞をするため、真下の地面に汚れが集中します。糞受けとして新聞紙や段ボールを敷けば、ある程度被害は緩和されますが、汚れるたびに定期的な交換が必要です。
寄生虫の発生
ツバメを含む野鳥には、ダニをはじめとする多くの寄生虫がつきます。
定期的に掃除していても、どうしても糞がある場所には寄生虫が発生しやすくなります。
小さなお子さんがいるご家庭や、ペットを飼っているご家庭は特に注意が必要です。
カラスやヘビが寄ってくる
ツバメの巣があると、ヒナを狙ってカラスやヘビが寄ってきやすくなります。
カラスやヘビが人間に直接危害を加えるケースは少ないですが、自宅周辺で見かけるのはあまりいい気持ちがしません。ツバメを狙う天敵が集まりやすいのも、注意すべきポイントです。
ツバメに巣を作らせないための4つの対策
ツバメに巣を作らせないためには、4つの対策がおすすめです。
- ガムテープやキラキラしたテープを貼る
- テグスをつける
- ネットをつける
- スプレーを使う
それぞれ紹介します。
ガムテープやキラキラしたテープを貼る
特に効果的だったという声が多いのが、ツバメが巣作りしそうな場所に、あらかじめガムテープやキラキラしたテープを貼る方法。
ガムテープを貼っておけば、壁に泥がつきにくくなりツバメは巣作りができません。また鳥は光を反射するものを嫌がる習性があるため、キラキラしたテープをのれん状に貼るのも効果的。
どちらも隙間があると効果がないため、テープはできるだけ隙間なく貼りましょう。
テグスをつける
比較的目立ちにくいのが、テグスをつける方法です。
テグスを一定の長さに切り、巣を作られたくない場所の天井から垂らしておけば、ツバメは羽にテグスがあたるのを嫌がって巣を作りにくくなります。
ただしテグスを嫌がる程度には個体差があるため、効果がなければ他の方法を試しましょう。
ネットをつける
物理的にツバメが近寄れなくするために、防鳥用のネットをつけるのもおすすめです。
巣を作られたくない場所の天井から壁にかけて、ネットを張り巡らします。ネットの取り付けは壁に影響が少ないよう、養生テープや突っ張り棒を使うのがおすすめ。
ツバメがくぐり抜けないよう網目はできるだけ細かいものを選び、目立ちにくくしたければ透明な防鳥ネットを使いましょう。
スプレーを使う
最も見た目を気にせず対策できるのが、市販の防鳥スプレーの使用です。
これは野鳥が嫌がるにおいを放つスプレーで、自宅の見た目を損なわずにツバメの巣対策ができます。
手軽な反面、においが取れやすいため、十分な効果を得るにはツバメが来なくなるまでくり返し噴霧が必要です。またスプレー直後は、においがきつく感じられます。
特に隣家との距離が近い場合は、風に乗ってにおいが広がりやすいので、状況により他の方法も検討しましょう。
ツバメの巣の対策をするときの注意点
ツバメの巣への対策には、注意すべきポイントが2つあります。守らないと法律で罰せられる可能性もありますので、しっかりと意識しておきましょう。
鳥獣保護法で守られている
ツバメを含む身近な野鳥は、鳥獣保護法で守られています。
卵やヒナがいるツバメの巣を許可なく撤去すると、鳥獣保護法に違反し、罰金や懲役刑が課せられます。
卵を産んだあとは許可を持つ専門の業者に依頼するか、巣立ちまで待つしかありません。
ツバメの巣への対策は、できるだけ巣を作られる前に行いましょう。
高所に作られた巣は無理せず専門業者に依頼
ツバメの巣は高所に作られるため、対策も脚立を使っての作業になります。
玄関ドアの上なら比較的対策しやすいですが、人の背丈の倍近くあるような高所は、転落のおそれもあり大変危険です。無理せず専門業者に依頼してください。
ツバメの巣に悩んだらグリーンホームへ相談を
ツバメは古くから虫を食べる益鳥として親しまれてきたため、ツバメの巣作りを歓迎し、見守る風潮があるのも確かです。中には、ツバメの巣を避けたり撤去したりせずに、巣立ちまで見守るべきではないかと迷う人も多いでしょう。
しかし大切な自宅や家族への影響を心配する気持ちは尊重すべきですし、無理なく野鳥と共存していくにも、負担を減らす対策は必要です。またツバメの巣対策は高所での作業になりやすいため、一般のお客様が行うことは非常に危険です。
大分県大分市にお住まいでツバメの巣への対策にお悩みの方は、大分県大分市のグリーンホームにご相談ください。ご相談やお見積もりは無料で承っております。まずはぜひお気軽にお問い合わせください!