エアコンの設定温度は、室内での過ごしやすさや、電気代を左右します。
電気代を抑えるために、夏は高め・冬は低めの温度に設定している人は多いのではないでしょうか?
この記事では、エアコンの設定温度について、以下の3点を解説します。
- 適切な設定温度
- 設定温度と電気代の関係
- 電気代を抑えるための「設定温度以外」のポイント
エアコンを使う際には、ぜひ参考にしてください。
エアコンの適切な設定温度は?
エアコンの設定温度は、過ごしやすさと省エネルギーの両方を意識しましょう。
環境省が推奨する室温は、夏が28℃、冬が20℃です。
これは、過ごしやすさと省エネルギーのバランスが取れた室温とされています。
室温とエアコンの設定温度は、必ずしも同じになるわけではありません。温度計で室温を確かめながら、エアコンの設定温度を調整してください。
また体感温度は湿度によって変わるため、適切な室温でも、過ごしにくさを感じることがあります。湿度が低いと寒さを、湿度が高いと暑さを感じやすくなります。
エアコンの設定温度と電気代の関係
エアコンの設定温度によって、電気代が変わります。
エアコンの電気代の計算式は、以下のとおりです。
【 消費電力(kW)× 稼働時間 × 電気代単価 = 電気代 】
エアコンの設定温度が1℃違うだけで、消費電力は冷房で13%ほど、暖房で10%ほど変わると言われています。
エアコンにかかる1日の電気代を「消費電力1kW・稼働時間8時間・電気代単価30円」と仮定して、シミュレーションしてみましょう。
式に当てはめると、電気代は以下のように計算できます。
【 1kW × 8時間 × 30円 = 240円 】
上記よりも冷房の設定温度を1℃高くした場合、削減される消費電力は13%です。
1kWから13%削減されると0.87kWなので、電気代は以下のように変わります。
【 0.87kW × 8時間 × 30円 = 209円 】
冷房の設定温度が1℃変わった場合、電気代の差額は1日あたり31円、1ヶ月(30日)使うと930円です。
消費電力はエアコンの種類や使用環境にも左右されますが、設定温度の影響は大きいと言えるでしょう。
エアコンの電気代を抑えるためのポイント
エアコンの電気代は、設定温度以外の工夫で抑えることもできます。
エアコンの電気代を抑えるためのポイントは、以下のとおりです。
- 自動運転モードに設定する
- 短時間の外出ならエアコンを付けっぱなしにする
- 除湿モードを活用する
- エアコン以外の家電と併用する
- 部屋の気密性を上げる
- エアコンに汚れを溜めない
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
自動運転モードに設定する
エアコンを自動運転モードに設定すると、電気代を抑えられます。
自動運転モードとは、室温に合わせて風量を切り替える機能のことです。室温が設定温度になるまでは強風、設定温度に達したら弱風になります。
エアコンの電気代は、弱風よりも強風のほうが高いです。しかし弱風のみだと、室内が設定温度になるまでに時間がかかります。弱風のみより、最初だけ強風で一気に冷やす(または温める)ほうが効率が良く、電気代も抑えられるのです。
短時間の外出ならエアコンを付けっぱなしにする
短時間の外出であれば、エアコンを一時的に消すよりも、付けっぱなしのほうが電気代を抑えられます。
エアコンの消費電力が大きくなるのは、運転を始めたときです。室温を設定温度にするために、最初はハイパワーで運転します。
設定温度になったら、室温を安定させるだけなので、消費電力は小さくなります。そのため、エアコンをこまめに消したり付けたりすると、電気代が高くなってしまうのです。
「短時間の外出」の目安は、30分〜1時間ほど。1時間を超えるような外出の場合は、エアコンを消したほうが電気代を安く抑えられます。
除湿モードを活用する
冷房が必要な時期は、除湿モードを活用しましょう。
除湿モードの目的は、室内の湿度を下げることです。冷房ほどではありませんが、同時に室温も下げてくれます。
除湿モードは冷房よりも消費電力が小さいため、電気代を抑えられます。「気温はそこまで高くないけど、湿度が高くて暑く感じる」という梅雨の時期などにおすすめです。
また、上記の除湿モードは「弱冷房除湿」と呼ばれるものです。
除湿モードのなかには、室温を下げずに除湿する「再熱除湿」もあります。
再熱除湿が室温を下げない理由は、除湿によって温度が下がった空気を、エアコン内部で温めてから送風するためです。
空気を温める際に電力を消費する再熱除湿は、冷房よりも電気代が高くなるため、気をつけてください。エアコンの除湿モードが「弱冷房除湿」であれば、電気代を抑えるために活用しましょう。
エアコン以外の家電と併用する
エアコンをほかの家電とあわせて使うことで、電気代を抑える方法もあります。
空気を循環させる「サーキュレーター」は、エアコンとの相性が抜群です。冷たい空気は下に、温かい空気は上に溜まる性質があります。
サーキュレーターで空気を循環させることで、室内を効率的に冷やしたり温めたりできるため、エアコンの消費電力を抑えられるのです。
サーキュレーターは扇風機でも代用できます。電気代は、エアコンよりもサーキュレーターや扇風機の方が安いです。
また冬は、エアコンと加湿器の併用もおすすめです。加湿器によって湿度が上がると、体感温度が上がるため、エアコンの設定温度を下げることができます。
部屋の気密性を上げる
部屋の気密性を上げるのも、電気代の節約につながります。
気密性が低いと、外気が入りやすいうえに、室内の空気が逃げやすいです。そのためエアコンの効きが悪くなり、電気代が高くなってしまいます。
空気の通り道になりやすいのは、窓です。家計に余裕がある場合は、窓を気密性の高いものに取り替えると良いでしょう。
また以下のような方法で、窓の断熱性を上げるだけでも、エアコンの効きが良くなります。
- カーテンを厚手のものに交換する
- 窓に断熱シートを貼る
ドアの隙間を埋めるグッズもあるので、試してみてください。
エアコンに汚れを溜めない
電気代を抑えるためには、エアコンに汚れを溜めないことも大切です。エアコンは、室内の空気を吸い込み、冷やして(または温めて)から室内に送ります。
汚れによって空気の通り道が狭まると、空気を吸い込む際に必要以上の電力を使うことになります。そのため、電気代が高くなってしまうのです。
とくにフィルターにはホコリが溜まりやすいため、こまめに掃除しましょう。エアコンの故障や、感電などの事故を招かないよう、掃除の際は取扱説明書をよく読んでください。
エアコンのお悩みはグリーンホームにご相談ください!
過ごしやすさと省エネルギーのバランスが取れた室温は、夏が28℃、冬が20℃とされています。
温度計で室温を確かめながら、エアコンの設定温度を調整してください。
電気代は、運転モードを意識することはもちろん、エアコンを徹底的に掃除することでも変わってきます。
「最近、エアコンの調子がおかしい」「エアコンの電気代が高すぎる気がする」というときは、もしかしたらエアコンのクリーニングや修理が必要かもしれません。
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